以下では日常系アニメーション作品群において、自分がおススメしたい作品だったり、思うところがある作品たちを紹介する。
原作 | カツヲ(『月刊コミック電撃大王』にて連載中) |
製作会社 |
SILVER LINK. |
メインキャスト |
高田憂希、高野麻里佳、日岡なつみ |
放送時期 |
2018年冬 |
あらすじ |
上野の公園にひっそりたたずむアジト。そこにいるのは3人の小学生の女の子、「カラーズ」。結衣、さっちゃん、琴葉の3人は今日も上野の平和を守るため、日夜(夕方まで)街を駆け回る! |
雰囲気 ☆☆☆☆☆
ストーリー ☆☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆☆
キャラクター ☆☆☆☆☆
オススメ度 ☆☆☆
満足度 ☆☆☆☆☆
総合評価 93点
ピックアップ評価一作品目は『三ツ星カラーズ』について紹介する。
三ツ星カラーズは、上野の平和を守る3人の女の子、カラーズの日常を描く作品である。一見普通の日常系作品であるが、観続けていると永遠にカラーズたちと一緒に上野の平和を守っていきたい、そんな気持ちが湧いてくる。
今回、三ツ星カラーズが我々を惹きつける魅力について考えてみる。そこにはいくつもの工夫がされていることが分かった。
まず、ストーリー展開に工夫がされている。
アニメでは時系列順に四季が描かれている。第1話は夏から始まり、秋、冬、春の話が順に描かれている。なぜ夏が先に描かれているのかは、最終話を春のあのエピソードにしたかったからといえば、観た人は理由がわかるだろう。四季を描くような構成に決まったのが早い段階だったため、原作のストックが足りないということもあったらしいが、その穴を埋める形で連載の新しいエピソードが産まれるということもあったらしい。例えば、第7話「トリック オア トリート!」(原作4巻30話)は秋のエピソードにパンチが足りないということで、原作のカツヲ先生が描いた作品であるらしい。
ストーリー展開は、キャラクターの個性が良くわかる様に上手く配置されていると思う。始めの数話を観れば、結衣は泣き虫なリーダー、さっちゃんは元気でおバカ、琴葉はゲーム好きで少し歪んでいるといったキャラのイメージが大体理解できるだろう。しかし、これだけでは終わらないのが三ツ星カラーズである。第6話「弱点さがし会ぎ」を観れば三人の本当の関係性がわかるだろう。詳しくは書かないが、結衣は一方的にいじられるただのかわいそうなキャラという訳ではない、さっちゃんもアホやっているだけの子ではない、琴葉もただのゲーム好きではないのだ。原作のカツヲ先生は三人の関係性をじゃんけんであると言っているが、そういうことかと妙に納得がいく自分がいる。このことを理解してしまう頃には完全に三ツ星カラーズの虜になってしまっているのである。ここで、三ツ星カラーズは『苺ましまろ』に似ているといった意見を多く聞く気がするが、ここで述べたように登場人物の関係性は全く異なっていると思う。苺ましまろでは、いじられる対象はほぼ決まっており、登場人物たちの関係は対等でない感じがする。加えて、個人的に苺ましまろではみっちゃんの畜生キャラがたまにやりすぎな感じがする。癒しを求めている日常系作品であるから、難民気質のある人はこのような行き過ぎた描写にはつらさを感じてしまうかもしれない。平和で緩い日常を求めている今のオタクには、僕は三ツ星カラーズの方を勧める。関係ないが、僕はカラーズだと結衣ちゃん、苺ましまろだとちぃちゃんが好き。
他にも各話でカラーズたちの私服が毎回変わっていることや、3人の中で誰か一人でも登場しない話は存在しないこと、目線はドキュメンタリー風の第三者目線でありカラーズ主観の描かれ方はされていないことなどに気付いただろうか。細かいこともあるが、様々な工夫が三ツ星カラーズという作品の世界観を守っているのだ。
次に音楽要素についても述べよう。簡単に言うと曲がとても良い。三ツ星カラーズは、主題歌も物語の一部と公式で明言されているほど、楽曲にも工夫がされているのである。
オープニングは、曲の歌詞に合わせて映像が流れる演出がされている。よく見てみると、結衣は緊張していたり、さっちゃんは元気な様子が見られたり、琴葉は一人変なポーズをとっていたりと三人それぞれの個性に合わせた動きをしている。曲調も小学生らしい元気な感じがする。
エンディングはエモい。小ネタとして、エンディング内の写真で一ヶ所だけ、唯一琴葉が帽子をかぶっていない描写がされている箇所がある。
これだけではなくキャラソンも良い。曲の雰囲気が各キャラの個性に合っている。歌詞が作品観にもあっている。
これらの他にも、メインキャスト3人が出演する「天才カラーズTV」という応援宣伝番組(You Tubeで観れる。興味ある人は是非観て欲しい)やコラボショップなどいろいろな方面で作品の良さが展開されている。
オススメ度は☆☆☆にしたが、ほとんどの人が世界観にハマることができる作品であると思うので、日常系作品が好きな人は特に見て欲しい。アニメ観た人は原作を読んで欲しい。加えて、作者が同じ『ひとりぼっちの○○生活』も読んで欲しい(アニメ化決定したのでよろしく)。
原作 | 卯花つかさ(芳文社『まんがタイムきららキャラット』にて連載中) |
製作会社 |
動画工房 |
メインキャスト |
尾崎由香、山田唯菜、井澤美香子、楠ともり、白石晴香 |
放送時期 |
2018年秋 |
あらすじ |
チアに魅了された少女のチア活動記。 |
雰囲気 ☆☆☆☆☆
ストーリー ☆☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆☆
キャラクター ☆☆☆☆☆
オススメ度 ☆☆☆☆
満足度 ☆☆☆☆☆
総合評価 97点
可愛さ満点のキャラクターに、なかなかにパンチの効いたギャグ要素を備えた大変面白い作品であり、完成された作品である。
チアというテーマが近年の日常系作品に求められていることとベストマッチしており、エールや癒しを求めている人全般に勧めたい作品である。
原作 | たらばがに(KADOKAWA『月刊コミックキューン』にて連載中) |
製作会社 |
EMTスクエアード |
メインキャスト |
上原あかり、木戸衣吹、山崎エリイ、小松未可子、大空直美、鵜殿麻由、荒浪和沙 |
放送時期 |
2017年冬 |
あらすじ |
うちのにゃんこたちがかわいすぎて困る‼ねこモフコメディ! |
雰囲気 ☆☆☆☆☆
ストーリー ☆☆☆
音楽 ☆☆☆
キャラクター ☆☆☆☆☆
オススメ度 ☆☆☆
満足度 ☆☆☆☆☆
総合評価 80点
この作品を紹介に選んだのは、BDをようやく手に入れることができたからである。お店ではどこへ行っても見つからなかったのだが、やっぱりネット通販ってすごい!
この作品はコミックキューンという雑誌に連載されており、本誌から2作目となるテレビアニメ化である。初のアニメ化作品は「パンでPeace!」という、その名の通りパンがテーマのゆる作品である。
にゃんこを擬人化した、人型なのに人のペットであるにゃんこたちの生活を描く、すこし不思議な世界観のある作品。だが、その雰囲気はとても良く、不思議な世界感でもそれが自然なものに感じるのだ。そして、疲れたときに頭を空っぽにして見たい作品でもある。一話2分という超スピードなので、手軽に周回できるのも強みである。お気に入りの話だけを見ようとして、つい全話見ちゃったっていうのはあるある。
評価について、☆3があるのは2分アニメでは限界があるからである。満足度は☆5なので問題ない。因みに、主題歌の「にゃんこ is LOVE!」はあれでフルバージョンである。みじかい。また、every♥ing!には「What is LOVE?」という、「にゃんこ is LOVE!」の歌詞違い(?)の曲があるのだが、それは3分32秒のしっかりした曲である。
原作も読んで。とっても神ってるので。
最後に、僕は友子ちゃんが好きです。アニメの上原あかりさんの声も非常にあっていると思うし、原作3巻26話の普段と違った髪型の友子ちゃんにはTOKIMEKIを感じました。ありがとうございます。
原作 | 椋木ななつ(一迅社『コミック百合姫』にて連載中) |
製作会社 |
動画工房 |
メインキャスト |
上田麗奈、指出毬亜、長江里加、鬼頭明里、大空直美、大和田仁美 |
放送時期 |
2019年冬 |
あらすじ |
とある女子大生と彼女が恋した女子小学生との日常をゆるく描く百合作品である。人見知りな女子大生みやこは、ある日妹が家に連れてきた友たちの花と出会う。花と初めて出会った瞬間からドキがムネムネしてしまうみやこ。お菓子に目がない花。どうにかして花と仲良くなりたいと思うみやこは花にお菓子を振舞うところから始めるのであった。 |
雰囲気 ☆☆☆☆☆
ストーリー ☆☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆☆
キャラクター ☆☆☆☆☆
オススメ度 ☆☆☆☆☆
満足度 ☆☆☆☆☆
総合評価 100点
いくつかの観点に沿ってわたてんの良いところを述べる。
まずは、かわいい。と感じるのも、原作よりも可愛く描かれるように制作側が意図しているので、極めて自然な感想である。
次に、売れた。わたてんには日常系アニメに不可欠な可愛さや癒しがふんだんに含まれている。他の日常系作品とも比べて、それらが伝わりやすかったため、円盤第一巻の初動売り上げが3200枚、通算で4000枚越えとなかなかな結果に繋がったのではないか。そのせいもあり、僕は第一巻付属のスペシャルイベントの優先販売に敗北した(╬ಠ益ಠ)
さて、可愛さや癒しが多いということは放送終了後にわたてんロスが生じ、悲しい気持ちになってしまうであろう。わたてん12話の前半パート(ミュージカル)を見ると泣いてしまうように、最終話が美しくまとめられている作品は特にロスが生じやすい。加えて、今まで私たちの生活とシンクロしていた世界が急に動かなくなるという違和感から、人は喪失感に襲われるのである。そしてみんな日常系難民になるのである。なりましょう。
また、音楽要素が強い。 アニメの顔とも言えるOP・EDからして強い。クラップあり、ダンスあり、可愛いありで日常系作品の王道的なオープニングだと言える。小学生らしい元気な様子が曲から感じ取られ、聞いているこちらも元気をもらえる楽曲である。対してエンディングは、明るく快活な曲調の中にエモさも入っており、小学生の溢れる元気を感じつつもノスタルジックで30分終了の悲しさやわたてんロスなどのもの悲しさも加速させる。でもとっても良い曲である。
また、第12話前半(ミュージカルパート)の曲もとても良い。ここでのアニメの音楽は一貫して伊賀拓郎さんが担当している(OPEDは編曲を、ミュージカルパートは作詞作曲編曲を、OSTもすべて)。僕は音楽知識には乏しいが、作品理解に努めて雰囲気に合った曲を作れるというのは本当に素晴らしい才能であると考える。
さてもう一つ特筆したいことは声優の指出毬亜さんである。この方は天使の花ちゃんに相応しい天使の歌声を持っていると思う。第3のラブライブ!である虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会にもエマ・ヴェルデ役として歌ったり踊ったりしているので合わせて推していきたい。
他にもコンテンツ展開が豊富であった。原作とアニメだけに留まらず、声優ラジオ、音楽(主題歌、サントラ、キャラソン)、キャスト特番(LINEライブ、ニコ生)、イベント(リリイベ、スペシャルイベント)、コラボカフェ、グッズ展開など単調にアニメを放送するだけでなく様々なコンテンツとしての展開が与えられた。
グッズ展開について、ひげろーTシャツに代表されるオリジナル感溢れるグッズなどが多く出た訳であるが、僕はそんなものより抱き枕カバーを出してくれと願っていた。そうしたら出たので即買った。
私に天使が舞い降りた!(通称わたてん)は人気作品である。アニメ円盤の売れ行きというわかりやすい指標においても、ここ最近の日常系作品の中で上位クラスである(直近の『まちカドまぞく』よりも多少売れている)。その原因として、普段日常系をあまり嗜まない人からの支持も一定数あったように感じる。このことからわかるように、多くの人が口ではバトルものが好きだとか、設定・ストーリー重視だとか、重い話が良いだとか言うのだろうが、心の奥底では女の子の可愛さや平和、緩い雰囲気を求めているのではないだろうか。僕はそんな人にも広い心で日常系を勧めたい。ゆくゆくは、日常系アニメの最終回で日常系難民となり、一緒に「線路へぽっぴんジャンプ♪」とか言おう。
原作 | あらゐけいいち(KADOKAWA『月刊少年エース』にて連載) |
製作会社 |
京都アニメーション |
メインキャスト |
本多真梨子、相沢舞、富樫美鈴、古谷静香、今野宏美 |
放送時期 |
2011年春~夏 |
あらすじ |
時定高校が舞台、個性豊かな登場人物たちの日常を描く。ショートギャグが何本も放送されるという構成である。シュールギャグも多め。 |
雰囲気 ☆☆☆☆
ストーリー ☆☆☆☆
音楽 ☆☆☆☆
キャラクター ☆☆☆☆☆
オススメ度 ☆☆☆
満足度 ☆☆☆☆☆
総合評価 83点
いわずと知れた京アニの有名作であろう。
僕自身こんなに日常系がどうのこうのと言っていても実は今の今までこの『日常』をまともに視聴したことがなかった。というのも以前にアニメ第一話とか原作とかを少し読んだことはあるっちゃあるんだが、その当時は独特すぎるノリやギャグセンスといった雰囲気感に圧倒され、どうも最後まで観ようとは思えなかったのである。
ところが、外出自粛の今日この頃、暇を持て余したときにAbemaで改めて『日常』を観てみたのである。感想としては結構良いね👍。
アニメを継続的に観ることができるための必要条件は、アニメに自分にとって何かしらのアドがあるということである。
まずキャラが良かった。みおちゃんと金髪のリボンの子(安中榛名ちゃん)がかわいかったと存ずる。みおちゃんの声すこ。
そして、ストーリーも良かった。はじめは人を選ぶギャグであるかもしれないが、なんだかんだ世界観になじんでしまうとふと笑ってしまったり、お気に入りのネタが見つかるものであった。個人的には17話「日常の69」のサイレントアニメ調のやつがお気に入りである。
最近は日常系作品における食わず嫌いがなくなってきていると実感するので、まだ観たことのない他の日常系作品があればこの機会に観ておきたいなと考える。もちろん就活と研究もがんばります(棒)